【一審死刑判決が破棄された犯行時少年一覧】

戦後犯行の一審死刑判決破棄少年一覧
氏名・犯時年齢 事件日犯行内容・逮捕日・裁判罪名 凶器 一審
(求刑公判新聞)
控訴審 上告審 備考
1 Y・T
(19歳)
 1946年7月5日六甲山山頂から500m下った所で郵便局員Tさんが射殺され現金を奪われているのが発見され、同月10日に大阪でY.Tが逮捕された
【神戸46.7.14】
(強盗殺人)
拳銃 1 1947.3.7
神戸地裁
死刑
【神戸47.3.9】
1947.6.25
大阪高裁
無期懲役
【刑資227】
【神戸地方検察庁沿革誌】では18歳と記されている
2 M・T/A・K
(20歳/19歳)
 1947年2月3日早朝、静岡県静岡市でKさん方でKさんの母と妻と子供たち3人が絞殺されているのが発見され金品が奪われていた。2月9日千葉県で逮捕【静岡47.2.10】
(強盗殺人)
電気コード 5 1947.4.25
静岡地裁
2被告とも死刑
【静岡47.4.26】
(読売静岡47.4.18)
1950.9.25
東京高裁
A・Kに無期懲役
【静岡県警察史】
M・Tは胃潰瘍で1950.1.19に死亡し公訴棄却
【静岡県警察史】
【読売静岡48.11.17】
3 U・K/T・Y
18歳/19歳
 1947年6月27日、滋賀県高島郡で80代の老夫婦が手で絞め殺され殺害され金品を強取された。U・Kが7月3日、T・Yは7月6日に逮捕【犯罪捜査に関する研究】
【刑資56】
(強盗殺人)
なし 2 1947.10.22
大津地裁
2被告とも死刑
【朝日滋賀47.10.23】
1948.9.27
大阪高裁
2被告とも無期懲役
【刑資56】
【刑資56】では一審無期懲役になっているが【刑資227】で間違いを訂正している
4 F・K
(19歳)
 1947年7月12日、他1名と共謀し熊本県上益城郡の山林に知人を誘い出し後頭部を棒でなぐり1名を殺害し1名に重傷を負わせた。共犯と共に7月14日逮捕【熊日47.7.15】
(強盗殺人、同未遂)
1 1947.10.27
熊本地裁
死刑
【熊日47.10.30】
1949.9.13
福岡高裁
無期懲役
※少年法改正
【西日本49.9.14】
1949.10.13
上告取下
【刑資227】
・高裁判決記事の内容から犯行時17歳の可能性が高い
・共犯は懲役15年(求刑無期)
【熊日47.10.30】
5 N・T
19歳
 1947年12月3日に大分県速見郡で他3人と共謀し母娘二人暮らしの家に侵入し手で首を締めて両名を殺害し金品を奪い逃走したが同月9日に逮捕された。【大分合同47.12.10】
(強盗殺人)
なし 2 1948.2.25
大分地裁
死刑(共犯二名も同判決)
【大分合同48.2.26】
(大分合同48.2.19)
1948.8-28
福岡高裁
無期懲役(共犯二名も同判決)
【刑資56】
共犯1名が上告したが1949年4月2日上告棄却
【刑資56】
・共犯1名は事件後に逃走しその後の情報不明
・【刑資56】では母を殺害し娘は未遂になっているが、朝日新聞大分版と大分合同新聞では母娘殺害となっている。
6 I・Y
(19歳)
 1948年4月11日、群馬県碓氷郡の達磨製造業Nさん方でNさんと娘2人が頭部を滅多打ちされ殺害され金品がなくなっているのを帰宅した次男が発見した。同19日に愛知県の警察署に住込み雇人I・Yが自首。厳しくされたことが動機【上毛48.4.20】
(殺人、窃盗)
薪割り 3 1948.6.16
群馬地裁
高崎支部
死刑
【上毛48.6.17】
1950.5.4
東京高裁
無期懲役
【刑資227】
・強盗殺人で起訴されたが裁判では殺人と窃盗で認定
【刑資227】
7 K・K
17歳
 1948年8月1日、窃盗事件で収監されていた滋賀刑務所で他2名と共謀し看守1名を殴打し殺害し1名に重傷を負わせ脱獄を試みるもすぐに職員に取り押さえられた。【滋賀48.8.3】
(殺人、同未遂)
角棒 1 1948.10.20
大津地裁
死刑
【刑資56】
(中日滋賀48.10.15)
1949.5.24
大阪高裁
無期懲役
※少年法改正
【刑資56】
1949.10.10
上告棄却
【刑資56】
・共犯の徳久炳浩は死刑確定。Nは懲役18年
【刑資56】
・1952年に講和恩赦でK・Kは懲役15年に減刑。
・1959年に仮出所。1961年に拳銃強盗で逮捕される【読売京浜61.8.6】
8 S・S
(19歳)
 1948年9月9日深夜3時頃、広島県豊田郡南方村で検問に引っかかった男の持ち物を調べたら鉄道員Tさんの物と判明。Tさん方を調べたら妻が首を絞められ殺害され金品を奪われていた。検問からS・Sが逃走したが遺棄したズボンから足がつき午前11時半頃に身柄を確保された。同村では直近で不良グループによる窃盗事件が相次いでいたために警戒中でスピード逮捕となった。【中国48.9.11】
(強盗殺人)
1 1948.11.10
広島地裁
呉支部
死刑
【刑資227】
1950.11.26
広島高裁
無期懲役
【刑資227】
・共犯の少年は事件後自殺【中国48.9.11】
・一審判決後に台湾人を犯人に仕立て上げ替え玉工作で無罪を主張するも台湾人にアリバイがあり失敗【中国50.8.20】
9 A・A/I・M
(18歳/18歳)
 1948年4月26日朝、静岡県浜名郡中瀬村のKさん方でKさんの妻と娘、泊まりに来ていた親戚の長女と孫が絞殺され衣類や自転車が奪われた。5月4日にI・Mが逮捕され【静岡48.5.6】、同月25日にA・Aも逮捕された【静岡48.5.28】
(強盗殺人)
麻縄 4 1948.12.3
静岡地裁
浜松支部
2被告とも死刑
【静岡48.12.4】
(読売静岡48.11.27)
1949.11.16
東京高裁
2被告とも無期懲役
【刑資227】
・共犯の外国人2名には占領下で刑事裁判権がなかったが独立後の1952年7月30日浜松支部で無期懲役判決
【読売静岡52.7.31】
10 S・T
19歳
 1948年4月20日仙台市でなじみの女性宅で借金を申し入れたが断わられ罵倒されたために殺意が芽生え、金槌で頭を殴り殺害し衣類などを奪い証拠隠滅のために火をつけた
【刑資56】
(強盗殺人、放火)
金槌 1 1948.12.28
仙台地裁
死刑
【河北48.12.30】
(河北48.12.22)
1950.7.24
仙台高裁
無期懲役
【刑資56】
・放火は無罪と控訴したが退けられ認定
【刑資56】
11 小島敏雄
19歳
 《幸浦事件》
1948年11月29日に静岡県磐田郡幸浦村で夕食後にHさん一家4人が失踪した事件で、1949年2月に別件の窃盗事件で逮捕された男4人を追求した所、絞殺して殺害し金品を奪った事を自供し遺体は自供通り発見されたとする事件
【静岡48.2.15】
(強盗殺人)

ひも
4 1950.4.27
静岡地裁
小島敏雄ら3人に死刑
1名に懲役1年罰金1000円
【読売静岡50.4.28】
(読売静岡50.3.31)
1951.5.8
東京高裁
控訴棄却
1959.2.28
差し戻し審
4人に無罪判決
【刑資227】
1957.2.14
高裁に差し戻し
1963.7.9
検察の上告棄却
【刑資227】
・別件逮捕から拷問による自白の強要
・小島敏雄の窃盗事件は懲役6ヶ月執行猶予3年の有罪判決
・主犯とされた1名は1959年8月に死亡し公訴棄却
【読売68.7.9夕】
12 須藤満雄
18歳
 《二俣事件》
1950年1月6日夜、静岡県磐田郡二俣村で夫婦と幼い娘二人が殺された。夫婦は刺殺され娘たちは窒息死だった。2月24日に須藤は別件の窃盗で逮捕された。【静岡県警察史下】
(強盗殺人)
刃物 4 1950.12.27
静岡地裁
浜松支部
死刑
(読売静岡50.11.9)
1956.9.20
静岡地裁
無罪判決
【刑資227】
1951.9.21
東京高裁
控訴棄却
1957.10.26
東京高裁
検察の控訴棄却
(検察上告断念)
【刑資227】
1953.11.27
原判決破棄差し戻し
【刑資227】
・別件逮捕から拷問による自白の強要
・窃盗罪は懲役1年執行猶予2年の有罪判決
【読売56.9.20夕】
13 T・K
19歳
 1952年5月10日、福岡県筑紫郡那珂町の国鉄ガード下の麦畑で若い女性の変死体が発見された。乱暴されハンドバッグを奪われていた。【夕刊フクニチ52.5.10】同月15日に農家からリヤカーと米が盗まれた事件で取調べ中のT・Kが犯行を自供し逮捕【夕刊フクニチ52.5.16】
(強姦致死、強盗)
なし 1 1952.8.6
福岡地裁
死刑
【西日本52.8.7】
1953.1.17
福岡高裁
無期懲役
【刑資227】
・少年院入所歴あり
【夕刊フクニチ52.5.16】
・他に窃盗事件5件でも起訴
【西日本52.8.7】
14 F・F
18歳
 1953年10月28日、愛知県東春日井郡味岡村の農業のMさん一家が襲撃されて3人が亡くなり2人が負傷した事件。翌日に近くの田んぼで睡眠薬を飲んで倒れていたF・Fが血痕が付着した包丁を所持していたために留置し犯行を認めたために逮捕。MさんにF・Fが妻と仲が良くない事を注意されての犯行【中日53.10.30】
(殺人、殺人未遂)
包丁
ナタ
3 1955.5.25
名古屋地裁
死刑
【中日55.5.25夕】
(中日55.5.16夕)
1956.6.21
名古屋高裁
公訴棄却
(F・F死亡)
【刑資227】
・部落の農家の会計係をしていたがしばし横領していた。
【中日53.10.30】
・心神耗弱を主張したが精神鑑定で責任能力に影響なしの結果
【中日55.5.25夕】
15 I・S/H・E
19歳/19歳
 1954年10月29日、神奈川県平塚市で海岸プール管理人のKさんが何者かに鋭利な刃物で切られて殺害されて衣類などが奪われた事件。脱ぎ捨てられたサンダルから足がつき11月4日にI・SとH・Eを逮捕【神奈川54.11.5】
(強盗殺人)
ナイフ 1 1955.9.26
横浜地裁
小田原支部
2被告とも死刑
【神奈川55 9.27】
(神奈川55.6.28)
1956.12.4
東京高裁
2被告に無期懲役
【刑資227】
・1956年3月に死刑廃止法案が提出され死刑廃止の声が高まっていた。
【灯をともす少年たち】
【読売56.3.17】
16 K・H
18歳
 1951年11月20日夜7時頃、北海道美唄市の茶志内駅の前にある売店兼待合所で女性店主と娘が頭から血を流して倒れているのが発見され、娘は死亡し店主は障がいが残る重傷を負い金庫が開けられていた。【北海道56.11.21】
11月29日に温泉旅館からの通報でK・Hを逮捕。【北海道56.11.30】
(強盗殺人、同未遂)
マサカリ 1 1957.4.26
札幌地裁
岩見沢支部
死刑
【北海道57.4.27】
1958.1.28
札幌高裁
無期懲役
【北海道58.1.29】
・犯行時18歳8日は現行の少年法で最年少死刑判決
・死刑判決破棄理由は殺害が偶発的で被害者の処罰感情が薄れている。被告は18歳を8日過ぎたばかりの若年【刑資203】
17 本田昌三
18歳
 《木間ヶ瀬事件》
 1950年5月7日、千葉県東葛飾郡木間ケ瀬村にてブローカー業を営むFさん宅に何者かが侵入し、Fさんとその妻、子供二人を頭を鈍器で滅多打ちにし、紐で首を絞めて殺害し現金二千三百円を奪って逃走した事件。【読売千葉50.5.9】同年11月27日窃盗未遂で本田を逮捕【死刑廃止の研究】
(強盗殺人)
鈍器
4 1958.9.12
千葉地裁
松戸支部
死刑【読売千葉58.9.23】
(読売千葉54.12.2)
1961.5.30
東京高裁
無罪判決
【読売千葉61.5.31】
検察上告せず ・拷問日記が証拠採用され、凶器と被害者の傷が一致しない、逃走に使用したとする自転車も半年前に貸したものなど有罪にする合理的理由がない【読売千葉61.5.31】
・刑事補償額約136万円【読売61.7.29】
18 K・A/M・T
18歳/19歳
 1959年2月25日午前2時過ぎ、長崎市加治屋町にある家具店に侵入し就寝中の50代の夫婦の首を締め布団で縛り、ノミや手斧で滅多刺しにし妻を殺害し、夫には障がいが残る重傷を負わせて、金品を奪い逃走するも同日午前11時ごろに福岡で2少年とも検挙【長崎時事59.2.26】
(強盗殺人、同未遂)
ノミ
手斧
1 1961.12.16
長崎地裁
2被告とも死刑
【長崎時事61.12.17】
1962.10.29
福岡高裁
2被告とも無期懲役
【刑資227】
・K・Aは家具店の元店員でM・Tとは同級生友人関係
【長崎時事59.2.26】
・殺害に計画性がないため死刑判決破棄
【長崎時事62.10.30】
19 Y・M
18歳
 1964年8月14日大阪八尾市でタクシー運転手が射殺され車ごと奪われる事件が発生した。広島で乗り捨てられたタクシーのバックミラーから指紋が検出され窃盗の前歴があるY・Mを手配。【大阪64.9.17】9月17日に福岡の兄の家で逮捕された。【大坂64.9.18】
(強盗殺人)
拳銃 1 1965.2.26
大阪地裁
死刑
【朝日大阪65.2.26夕】
(朝日65.2.9)
1965.11.12
大阪高裁
無期懲役
【朝日大阪65.11.12夕】
・死刑破棄の理由は恵まれない環境が影響し、被告人だけを責めることは出来ず更生の機会をあたえるため【朝日大阪65.11.12夕】
20 K・N
19歳
 1968年3月26日夜、川崎市登戸の市道で女性が車にはねられ現場から連れ去られ、翌日に東京都狛江市の水道局の資材置き場で乱暴され、下着で絞殺され半裸状態で発見された。【読売68.3.28夕】目撃された不審車のナンバーからK・Nを逮捕【神奈川68.4.1】
(殺人、強姦致傷)
下着 1 1969.2.28
東京地裁
八王子支部
死刑
【読売69.2.28夕】
【刑月1巻2号】
(読売69.2.12夕)
1970.12.26
東京高裁
無期懲役
【読売70.12.26夕】
・計画性が低い点と19歳の若年が死刑破棄の主な理由
【読売70.12.26夕】
21 K・S
19歳
《名古屋アベック殺人事件》
 1988年2月23日深夜、名古屋市緑区の公園でK・Sら6人のグループがアベックを襲撃し、暴行と強姦の末に犯行の発覚を恐れ絞殺し三重県の山中に遺体を埋めた。この事件の前にも港区で二組のアベックを襲撃していた。【中日88.2.27夕】
(殺人、強盗致傷)
なし 2 1989.6.28
名古屋地裁
死刑
【読売89.6.28夕】
(朝日89.1.31)
1996.12.16
名古屋高裁
無期懲役
【読売96.12.17】
・共犯の犯行時17歳少年は死刑相当の無期懲役判決(一審確定)
【中日89.6.28夕】
・成人含む他の共犯は2名が懲役13年、2名が5年以上10年以下の不定期刑が確定
【中日96.12.16夕】
・証拠調べ請求却下決定に対する異議申し立て棄却決定に対する特別抗告棄却【集刑261】に実名記載あり
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